1 仮定
あるマイマップをオーナーを含めて5人で共有し編集権限を所有していると仮定しよう。
図中の”OWNER”はマイマップの所有者でありOwnerのGoogleドライブ内に保存されている。
“EDITOR1~4″は、”OWNER”から編集権限を付与された編集者である。
ここで注目すべき点は、この四人の”EDITOR”(編集者)のマイマップへの捉え方の違いである。
“EDITOR”(編集者)のマイマップへの捉え方の違い
(1)安心な”EDITOR1~3″
”EDITOR1~3″は、このマイマップの所有者は”OWNER”であり、編集権限でマイマップに変更(ポイントやレイヤーを追加削除行為)を加えた場合、OwnerのGoogleドライブ内のマイマップのデータが書き換えられることを知っている人たちである。信用できるメンバーといえよう。
(2)超危険な”EDITOR4“
“EDITOR4″も編集権限をもっている。しかし、彼は”EDITOR1~3″と違いマイマップに変更を加えるとOwnerのGoogleドライブ内のマイマップのデータが書き換えられること知らないのである。
“EDITOR4″の心情(=誤解)
“EDITOR4″の心情はどうなのだろうか?想像できることを列記してみる。
(1)マイマップと呼ばれるぐらいだから、自分の所有物(Mine)だ。自分に必要のないレイヤーは削除してしまおう。
(2)他の四人と共有しているが、各々のレイヤー閲覧の設定は各自が保持できるはずだろうからレイヤー削除しても他の四人は見えているに違いない。
(3)マイマップに登録したデータは、Googleが管理しているのだから利用者が削除操作してもデータが削除されるようなことはあり得ないだろう。Googleマップへの地点ポイント掲載と同じ仕組みだろうから問題ない。
2 誤解の原因
その1 商品名からの誤解
マイマップという商品名が誤解を生んでいること。これが「マイマップという名の”他人のマイマップ”」の本投稿タイトルとなっている。
その2 Googleマップに地点ポイントが掲載される仕組みと同じだと勘違いしていること。
Googleマップに地点ポイントが掲載されるパターンは以下3つある。
1.オーナーがGoogleビジネスプロフィールから店舗を登録する
2.第三者がGoogleマップから店舗を登録する
3.ウェブ上の情報から自動生成される
これらの地点登録情報を一般の人が見ている訳だが、多くの人は、Google社に何か申請して(1.の方法)自分の店舗情報位置など登録していると思い込んでいる。つまり、地点登録はGoogle社が完全管理していると思い込んでいる。 補足だが、マップをよく使う人は、お気に入りの場所を保存して、後で他のデバイスから簡単に見つけることができる「スター機能」を知っていだろう。 Google ブックマークにまとめられ、場所の種類に応じて手動で”ラベル“を設定することで、後で目的の場所を探すのが非常にラクになる。
この思い込みの有る多くの人に、マイマップを説明するとどうなるだろうか?
もっと具体的な例として、現場事務所の位置をみんなで登録し合って共有する説明をしたらどうなるか?について考えてみる。
(1)マイマップでの地点登録をすると、そのあとはGoogle社がGoogleマップのようにデータを管理していると思い込む。マイマップのオーナーのGoogleドライブに保存されているとは思いもよらない。
(2)「現場事務所マイマップ(以下マップAと呼ぶ)」を登録しようすると次のような考えや行動が起こる。
ア マップAをコピーする。なぜなら壊してしまったらみんなに迷惑がかかる。おかしな登録をして恥をかきたくない。コピーしたとしても、自分の登録したデータはGoogleが預かって管理してくれて、ほかの共有者も地点登録が見えているはずだ。つまり、各自のマイマップの登録ポイントを合成して共有する仕組みがあるはずだ。
イ こういう人もいる。監督員と共有出来ればいいので、コピーして地点登録し監督員に閲覧か編集権限を与えた。
このようにマップAに対して、マップB、C’出来上がり、共有とはかけ離れてゆくことは容易に想像できる。
3 初心者にマイマップの共有を説明するのは非常に難しいが…
マイマップ初心者に、初心者本人がオーナーの”真のマイマップ”を説明するのは、まあまあ容易い。言葉どおりの解釈だからだ。
しかし、マイマップの共有の説明となると非常に難しい。なぜなら前述したように、”他人のマイマップ”を編集しなければならないからだ。マイマップと呼んでいるのに”マイ”マップではなく他人のマップなのだから。そのため、初心者との共有には、マイマップのオーナーというものを確り理解してもらうことが重要といえる。
マイマップを使いはじめるひとには以下を伝えることを提案する。
(1)Googleマップに地点ポイントが掲載される仕組みとは違う。
(2)マイマップという商品名だが、オーナーの持ち物である。厳密に”マイマップ”と呼べるのはオーナーだけ。
(3)マイマップのデータを書き換えるとオーナーのGoogleドライブ内のマイマップのデータが書き換えられる。
(4)復元機能は無い。
(5)マイマップを編集した際は履歴が残る。
(6)マイマップはコピーすることが出来る。晴れて自身のマイマップになるが、複数のユーザとの共有・編集による構築が絶たれ作業の効率化に結びつかない。
(7)閲覧権限のみのマイマップに触れてもらい慣れることからはじめる。
共有・編集を目的としている場合に、復元機能は無いことやマイマップを編集した際は履歴が残ることを強調しすぎると、慣れない編集者は萎縮しマイマップのコピーによる作業に走る傾向があるので注意のこと。
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