パワポデザインでの色の選択が重要であることは間違いないが、どんな色を何種使うかについては難しい。 これからの説明内容について、おおよそ予想は付くかと思うが、たくさんの色をパワポで使うと”ノイズ”である。
なお、本編に進む前に以下の色彩の基本用語は解説文中にて使用するため目を通して置いた方が良い。
テーマ色は2つの主色のみを目標
「シンドラーのリスト」1993年公開
ラストシーンを除けば、ほぼ全編に渡りモノクロ作品である。ただし、パートカラーが採用され、赤い服の女の子が登場する。たった一色の赤が記憶に刻まれるのは疑いが無い。
テーマ色は2つの主色のみ
「シンドラーのリスト」のパトカラーを参考としたテーマ色を考えよう。
グレー(白と黒含む)一色とプラス任意の一色でとなる。しかし、なかなか勇気が必要なデザインである。無理にこれに最初から挑むことは無いと思う。現実的なものは後ほど!
参考:色相の少ないプロのデザイン
テンプレートのようなきっちりしたパーツ配置は好きではないが、色相の少なさは非常に参考になるはず。
反面教師 突っ込みどころ満載、12年前のパワポデザイン
自分自身のルールを決めないと色の氾濫が起こる。
解説のために、恥を忍んで12年前のパワポを引っ張り出してきました。突っ込みどころ満載です。
突っ込みどころ
なんとなく、青と緑の寒色系をメインに使用としているのは分かります。三原則にそれそれメインカーラーを割り当てようとして、青、水色、緑の3色を使用したと思います。(今となっては記憶が無いので他人ごと)
こげ茶色は、緑色の補色として取り入れたようですが、確実にノイズであり汚さを感じます。
三者の連系を強調したくて使った赤は最悪、下品です。
枠囲みの線もノイズです。今はまず塗りつぶしに囲み線は使いません。
右端の青い背景帯もノイズです。当時はアクセントでカッコいいと思って入れていたんだと思います。
スライドサイズですが、3:2を使っており、紙プリントを意識してます。今はもちろん16:9です。
なお、三原則の内容については、現在に通じるものであり「DXの目論見書」(非公開)や「インフラDX推進に向けての六つの項目」と理念は同一です。つまり、12年前から考えは一切変わっていません。
テーマ色として主色3つ(ただしそのうち一色はグレー)+補助色
現実的なものとしてのテーマ色設定~これなら受け入れられるだろう~
冒頭に紹介した「テーマ色は2つの主色のみ」は、難しい。そこで、次のような「テーマ色として主色3つ(ただしそのうち一色はグレー)+補助色」のようなデザインの基本ルールを持ってみてはどうかと提案する。
この程度であれば、違和感が少なく受け入れ可能ではないだろうか。
テーマ色として主色3つ(そのうち一色はグレー固定)+補助色(主色2の補色=アクセントカラー)
この基本ルールを守ったうえで、各自の具体的なテーマ色を以下の6つのポイントに注意し選んでみると良い。
使用する色を選ぶ際の6つのポイント
原色は使用しない
原色や彩度の高い標準色の使用は控えます。赤、緑、青などの原色は存在感が強過ぎ肝心の内容への意識をそらし、ある意味”迷子”や”ノイズ”の原因です。長時間見ていると目が疲れます。どうしても原色を使用したい場合は彩度を落とします。
「赤=強調」の意識は多くの人が持っています。だからといって、気軽にパワポに使用するとダサくて下品な印象となります。
原色の使用は控える。
特に「赤=強調」で気軽に使うと、ダサくて下品な印象になるので注意!
背景色と文字色のコントラスト
背景色と文字色の明度にコントラストがないと、文字が読みづらくなるので注意。背景が暗い場合は明るい文字色、明るい場合は暗い文字色を設定する。常識的なこと。
色の持つ意味を理解
人間は普段の生活やこれまでの経験から、色に以下のようなイメージを自然と持っています。
このイメージとそぐわない文脈で色を使うと理解を損ねる場合があります。
一般的にビジネスシーンでのパワポのメインカラーは「青系」が知っての通り多数です。青の意味は「清潔・洗練された・冷静・信頼」のイメージがあるので、悩むなら「青系」にするのが無難です。
ビジネスシーンでのメインカラーに悩むなら「青系」が無難
メインカラーにはコーポレートカラーを使用
ビジネスシーンにおいて、メインカラーはコーポレートカラーを使用するのが基本です。プレゼンするたびにデザインが変わるのは、信頼性を失う結果に繋がりかねません。
企業として、統一のデザインフォーマットを持つべきです。
個人においても、デザインは統一すべきです。特にプレゼンの機会が多い方は、デザインだけでプレゼンテーターをを思い出させるぐらいを考えます。
企業でも個人でも、統一したデザインはブランドイメージに発展します。
統一したデザインはブランドイメージに発展する。
注意:主色3のうち一色はグレー、一色はコーポレートカラーとなるので残り一色を選択する訳だが、コーポレートカラーとの調和がとれる色(彩度や明度を同レベルに)を選択する必要がある。この解説は後日!
アクセントカラーには主色の補色を使用
補色(反対色)は、色相環の反対側同士に位置する色のことで、補色同士はコントラストが強く、高い強調効果を得ることができます。ただし、多用するとダサくて下品になるので要注意です。
補色の使用は、全体の5%程度まで
文字に黒は用いない。
ひとつめのポイントに「原色は使用しない」と記述しましたが、文字においても同じです。少しだけトーンを落としたグレーにします。WEBでの様々なページをじっくり見ると分かるように真っ黒は使ってません。このページも!
ただし、スマホ消費電力を抑えるため背景を黒にしているのは多いです。
純粋な黒は、光を全く反射しない色です。(=光をすべて吸収する。)身の回りをよく見てください。何かしらの光の反射をしているので純粋な黒はほぼ存在しません。見た場合は、不気味さを感じるのが通常です。
また、背景色に真っ黒を使用するのはもってのほかです。
黒文字は少しだけトーンを落としたグレーに
その2へ続く
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