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厚賀町史
序文 我が郷土厚賀町は、遠く明治二十年に開拓の鍬は下され、厚賀町を中心として周囲山林に包まれたる小盆地を形成した自然条件に恵まれた美田地帯であり、又海岸線に添った豊漁の漁村地帯でもあります。
然しながら今日の美田良圃も、開拓当時は茅原の湿地帯に将来の発展を予見し、開拓の鍬を下された先人達の・眼と、凡ゆる辛酸と困苦欠乏に堪え、不撓不屈の精神を以って開村に従事した祖先の血と汗の結晶であり、一方漁村に於ても死を賭して開漁に当り、子々営々と精魂を傾注してきたのであります。
開村以来早九十年の歳月が過ぎ去ろうとしていますが、その古老達も殆んど没し、二代、三代の時代となり、こゝに祖先の不滅の功績を讃え、足跡を記録に止めるため町史の編纂が行なわれたのであります。
我々町民は、祖先各位の偉大なる業績を讃え、その偉徳を偲び、いよいよ報思感謝の念厚く、家業に精励し、親睦を以って郷土発展に尽力されんことを望むものであります。
昭和五十年四月一日
厚賀一致会長 戸川長平
発刊を祝して 町民こぞって祝った開町百年の年もはや三年を過ぎようとして居ります。
今や二世紀の新しい町づくりのため、町民こぞって励んでいるところでありますが、今更ながら先人の偉業に尽せぬ感謝と敬意を捧げるものであります。
我が門別町は広範な行政区域を擁して居りまして、各地域ごとに夫々特色ある草創の沿革があり、子孫のため豊かな郷土への願いをこめ、開拓に苦斗し、街づくりに生活規範を遺された先人の歴史がいまだに息吹いて居ります。
特に厚賀地域は開拓の時代より自治組織である一致会が中心となり、住民の相互扶助と協同団結の力で開拓と街づくりに大きく貢献されて参りました。現在なお先人の遺風を受け継がれ活発な自治活動を続けられ、地域の発展と民生の安定に寄与されて居りますことは特筆されるところでございます。
昨今のように急速なテンポで変貌する社会にあって、郷土に生きてゆく子孫のためにも先人の業績と醇風を伝え残すことは、現代に生きる者にとっての責務であると存じます。この厚賀一致会が厚賀町の歩みが刊行をされますことは、まことに有意義なことでありまして、後代のための指標として、また郷土を愛する住民の座右にあって厚賀町の益々の繁栄の資となることを念願するものでございます。
企画、編集に当られました方々の御労苦には心から敬意すると共に、発刊を心からお祝い申上げる次第でございます。
昭和五十年四月一日
門別町長 市橋一郎
題字 門別町長 市橋一郎
厚賀町史目次
第ニ章 沿革・・・・・・・・九
第一節 地域の状況・・・・九
第二節 開拓以前の厚賀・・十
第三節 当町の開拓・・・・十一
・郷土の発達・・・・・・十二
一、明治史・・・・・十二
二、大正史・・・・・十四
三、昭和史・・・・・十五
四、戦後史・・・・・十六
・郷土民の生活断片・・・十八
・厚賀一致会のあゆみ・・十九
・浜賀張漁業の沿革・・・二三
第三章 交通・通信・・・・・三十
第一節 交通・・・・・・・三十
第二節 通信・・・・・・・三三
第四章 産業・・・・・・・・三五
第一節 農業・・・・・・・三五
第二節 林業・・・・・・・四二
第三節 工業・・・・・・・四七
第五章 兵事・・・・・・・・五十
・兵事・・・・・・・・・五十
・大東亜戦争・・・・・・五五
第六章 保安・衛生・・・・・五六
第一節 保安・・・・・・・五六
第二節 衛生・・・・・・・五七
第七章 社寺・墳墓・・・・・五九
第一節 神社・・・・・・・五九
第二節 寺院・・・・・・・六十
第三節 墳墓・・・・・・・六二
第八章 学校・・・・・・・・六四
第一節 小学校・・・・・・六四
第二節 中学校・・・・・・七十
第三節 高等学校・・・・・七六
第九章 各地域の郷土史・・・七九
・東川・・・・・・・・・七九
・美宇・・・・・・・・・八十
・太陽・・・・・・・・・八一
・里平・・・・・・・・・八一
・新和・・・・・・・・・八二
・三和・・・・・・・・・八二
・正和・・・・・・・・・八三
第十章 古老の追憶・・・・・八四
・八十年の生活に拾う 美原(故)山本勝三郎・・八四
・七十年の往時を偲ぶ 厚賀(故)田端年松・・・八五
・半世紀前の厚賀を偲ぶ 厚賀 中村精二・・・・八六
・漁業の今昔 厚賀 石崎幸吉・・・・・・・・・八七
▼厚賀町全景
▼浜賀張全景
▼厚賀駅
▼厚賀町民会館・門別消防団第三分団
▼厚別八幡神社
▼厚賀営林署
▼厚賀農業協同組合
▼門別町漁業協同組合厚賀支所
▼開拓の祖 故古川喜三郎翁の碑
▼厚賀駅前
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